おーいシルフィール、リナ見なかったかー？

しー、ガウリイさま、お静かに。

……？

リナさんなら、ここにいますよ。



Σぅおっ?!　なんだリナ寝てんのか？

はい。昨夜の戦果がかなりよかったらしくて、
戦利品の整理に明け方までかかったそうです。

戦果……って、また盗賊いぢめに行ってたのか。
ったく、オレの言うことなんかちっとも聞かないんだもんなぁ。
――それに引き換え、シルフィールにはあんまり逆らわないよな。

？　そうでしょうか？

ああ、だってこいつ、こーんな大人しく誰かにひっついて寝るような女じゃないぜ。
いやほんと。大真面目だよ。オレはそれで何回泣かされたかしれないんだから。

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シルフィールは猛獣使い。で、ガウリイとセットで無敵の保護者。
過保護過ぎないどっちかって言うと放任系なので、ひとりで行ったら怒るけどアメリアを連れてく場合に限り盗賊いぢめも容認してます。




リナの苦手なもの：郷里の姉ちゃん及び同タイプの人間

具体的に言うとのんびり丁寧エグいぞ言動、見た目と攻撃力が無関係なひと。ＳＰにおいてはカーシャさんを指す表現ですが、本編ではぴったりシルフィールのことだと思います。
現にリナはシルフィールにはあんまり強気に出たことないし、何度か言い負かされたりもしてます。これは本当に珍しい。リナが言葉に詰まっても妙な屁理屈こねないで黙ってるってのはほんっとうに珍しいんです。図星をさされて言葉に詰まれば、必ず舌先三寸でごまかすか高飛車に開き直るのが彼女の定石なのに！（どんな主人公だ）
で、引きに引いてここでも言いますが（リナのシスコン末期は公式なのでいくら用いても問題ないはず！）黒髪で特にあの髪型にリナは弱いんです。シルフィール初登場のとき、彼女に微笑みかけられたリナは「あたしが男だったら一発で惚れる」とまで言ってるので、ヴィジュアルが彼女のツボに入ったのは疑いようもないでしょう。

ＴＲＹにはフィリアって言う年上キャラが居ますが、彼女はなんと言うか本当の意味で幼いし（この語りもまたいずれ）リナもそう思って接してるから、どっちかっていうとリナの方がおねえさんキャラなんですよね。対してシルフィールは精神年齢が年相応かそれ以上でとても芯のしっかりした女性だから、リナも頼りにしてるし、真摯に意見も受け止めるし、ふと気を抜くと寄りかかっちゃう。あーねーちゃんに会いたいなぁ……うとうと。みたいな。そういうのかわいくね！かっこいいリナがシルフィール相手のときだけ普通の女の子みたいにかわいくなっちゃうってちょっともえね?!猛獣使いシルフィールは虎を猫のように手懐ける。

話を戻します。えっと……どこからズレたのかな。あ、最初からか。

とにかく！シルフィールがリナを普通の女の子にするっていうのは、リナを「戦場」から「恋愛の舞台」へと引きずり出したという意味も含みます。
とうちゃん、と広辞苑で引いてみましょう。『幼児が父親を親しんで呼ぶ語』と出ます。ごく普通に家庭で育てば、やがて自然に抜けるものが抜けきる前に家を出たから、リナにとって「とうちゃん」はまだ、幼い日に呼び親しんだ「とうちゃん」のままなんです。リナはこれから形作られようとしていたあやふやな感情たちを未分化のまま引き連れ故郷を離れ、もっとも多感な思春期を旅の空の下で過ごします。そのゆえにか、リナにとって「愛情」は（とうちゃんがまだとうちゃんであるように）故郷で覚えた家族や友人の親愛をさすのです。出会ってはまたすぐ別れ、惜しむ間もなく訪れる新たな出会い。その過程を受け入れて、それが当たり前になっていたリナの心には、複雑な「恋」という感情は育たなかったのではないでしょうか。だから、シルフィールがガウリイを好きだってことは知ってるけど、愛とか恋とかを記号的にしか理解できていない。もしくは自分の家族や友人に対する親愛と結びつけて考えてしまうから、シルフィールの切なさや、彼女にとっての自分の存在や、彼女への彼の答えなんかの機微が理解できない。
あんなに頭がいいのに、ガウリイは自分と旅を続けるという事実、シルフィールが旅人になれる人間でないという事実、全部分かっていても、シルフィールの想いがめでたしめでたしで終わるおとぎ話かなにかだと思っている。シルフィールのキャラソン「alone」で、彼女はリナのことを「罪もなく無邪気に笑顔をかわすの。切ない胸、知らずに。」と歌ってるけど、無邪気ってそういうことだと思う。
分化された感情を持ち、それを持て余すこともなくコントロールできる大人なシルフィールの目には、リナが年相応か、もしくは幾分幼く見える。だからライバル認識して妬心や憎しみを覚えるより、ああ、仕方ないんだなって気持ちが勝っちゃったんだと思います。ひとりの男を巡っていながら、決してどろどろになったりしなかったのは、ガウリイの気持ちが１００％リナに捧げられていたということも勿論ですが、それ以上に、リナとシルフィールの圧倒的な心の年齢差だったんです。
戦場でなら勝負にもならない２人だけど、こと恋愛の舞台においては、シルフィールがリナの手をとってステップを教えてあげなきゃいけないくらいかけ離れていて、やっぱり勝負にもならない。

結論として。
リナのファーストキス（寝込み）はシルフィールでいいよ＾＾